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異象管理局には、誰もが知っている暗黙の了解がある――管理局のソファというものは、基本的にレクイエムが転がっているための場所だ、と。 ソファだけじゃない。陽だまりでぽかぽか温まった屋根の上、人気のない静かな階段、あるいはふかふかのクッションが敷き詰められた不気味な棺の中…そんな場所でも、たいていレクイエムの幸せそうな寝姿を見ることができる。 「1日は24時間あるんだから、20時間寝ても多くないでしょ?」――彼女は本気でそう思っているのだ。 E.T.D第4小隊の「一番可愛い切り札」として、レクイエムがいくらマイペースで口下手だとしても、その人気者としての立場はゆるぎない。苦情の件数と公共物の損害率が恐ろしいほど正比例していても、彼女に感謝状を送る人や熱心なファンは驚くほど後を絶たない。 隊内の人間関係もおおむね良好だ。みんなでカジマキッチンへお昼を食べに行くと、レクイエムがケチャップを独り占めにするせいで、他のメンバーはアイスクリームにポテトをディップして食べる羽目になるが…まあ、そんなことは大した問題じゃない。 純粋すぎるせいか、レクイエムは独特な「素晴らしさを見つける目」を持っている。 うっかり看板に頭をぶつけた時や、息を切らしてやっと目的地に着いた後で「実は車なら一瞬だった」と知った時、彼女は目を輝かせてこう思うのだ。「看板、強い!車、すごい!レクイエムも、そうなりたい!」 もっとも、自由自在に異能を操り、想像だけで複雑な形を具現化するのは、はたから見える以上に難しい――「レクイエムさんも、人目のないところでいっぱい努力してるんですよ!」 脚をギプスで固定したE.T.D予備隊の隊員は、なぜか誇らしげにそう語った。 さて、今日もまたレクイエムの姿が見えない…また迷子になったのか? それともどこかで寝ているのか?もしかして、道端のトマトゼリー自販機の前で張り付いて動けなくなっているのかもしれない。だが心配は無用だ。E.T.Dの頼れる隊員として、肝心なときには必ず駆けつけてくれる。 …その対価として、道中のガラスドアを片っ端から粉砕してやって来るが…


















































